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【Think with BOOKS #6】つくることの先にあるもの。『付加価値のつくりかた』から考えるクリエイティブ
【Think with BOOKS #6】つくることの先にあるもの。『付加価値のつくりかた』から考えるクリエイティブ

こんにちは。クリエイティブディレクターの竹内です。

本を片手にちょっと考えてみる。CNSで働くメンバーが、本をきっかけに日々のインプットや仕事、クリエイティブへの想いを綴っていく連載『Think with Books』。今回ご紹介するのは、起業家・コンサルタントである田尻望さんの著書『付加価値のつくりかた』(日経BP)です。

著者の田尻さんは、高収益企業として知られる株式会社キーエンスの出身。本書では、ビジネスにおいて高い価値を生み出し、適正な利益を得るためにはどうすればいいのか、その考え方を「付加価値」というキーワードから解説しています。

本書を読んで感じたことと、これまで自分がクリエイティブの仕事をしてきた中での経験を重ねながら、「付加価値」について考えてみたいと思います。

価値は、受け取る側にある

「なぜ、お金を支払ったお客様から『ありがとう』と言われるのか?」という章で、田尻さんは、「支払うお金<価値」となったときに、お客様はお礼を言うと説明しています。

受け取った価値の大きさが、対価として支払った金額よりも大きく感じられる。だからこそ、「ありがとう」という言葉が生まれる。

私は、クリエイティブに限らず、どんな仕事も、突き詰めれば「ありがとう」の代わりに報酬を受け取っているものだと考えています。誰かの役に立つ。期待に応える。あるいは、期待していた以上のものを返す。その結果として「ありがとう」が生まれ、その「ありがとう」をお金という形に置き換えて、私たちは仕事をしている。

仕事の価値は、単純に「何を提供したか」だけでは決まらないのだと思います。相手が「頼んでよかった」「思っていた以上だった」と感じる。その気持ちがあって、「ありがとう」という言葉につながっていく。
そう考えた方が気持ちいいですよね。

本書を読みながら、改めてそのことを考えました。

『FINDERS』立ち上げの現場で学んだ「クリエイティブ×ビジネス」

この「付加価値と感動」の関係性を考えたとき、思い出した仕事があります。

以前、CNSの関連企業である株式会社シー・エヌ・エス・メディアが運営するWEBメディア『FINDERS(ファインダーズ)』の立ち上げと運営に、深く関わっていました。

FINDERSは、「クリエイティブ×ビジネス」をコンセプトに、日々のビジネス課題に解決のヒントを発信するメディアです。

私自身、キャリアのスタートはグラフィックデザイナーでした。なので、ものづくりについて考えるときは、「どう表現するか」を考えることが多かったと思います。

そんな自分にとって、「クリエイティブ×ビジネス」というFINDERSのコンセプトと深く関わることは、ものづくりを「ビジネス」という側面からも捉えるきっかけになった、かなり大きな経験でした。

「そもそも何のためにつくるのか?」
「それによって何を変えたいのか?」
「だれを喜ばすことが出来るのか?」

FINDERSでの経験が、クリエイターとしてビジネスパーソンとして、視野を広げてくれたように思います。

クライアントと、その先にいる顧客へ届ける「付加価値」

現在、私たちがCNSで向き合っている仕事――イベントの体験設計、ブランディング、WEBや映像の制作、デジタル体験の構築なども、最初にクライアントからいただいた要望をそのまま受け取るのではなく、理屈だけでも表現だけでもない、そのプロジェクトに合った答えを探していくことが大切だと思っています。

本書の中に下記の一節があります。

BtoBビジネスに携わる多くの人は、目の前の法人顧客のニーズの中に付加価値が存在すると思っています。
本当の付加価値は、実はそこにはありません。目の前の法人顧客の先、またさらにその先に存在するエンドユーザー、つまり消費者・生活者である個人のニーズの中に存在するのです。(本文より)

私たちが直接向き合っているのはクライアントですが、その先には必ず、そのWEBサイトを見る人や、イベントに参加する人、映像を見る人がいる。

クライアントに「いいですね」と言ってもらうことはもちろん大切ですが、その先にいる顧客に何が届くのか。何を感じてもらえるのか。そこまで考えられて初めて、私たちがつくるものの価値が決まるんだと思います。

『付加価値のつくりかた』は、営業やマーケティングに携わる人に向けた本だと思います。でも、読んでみると、むしろクリエイターにこそ読んでもらいたい一冊だと感じました。

私たちは日々、何かをつくっています。
その先には必ず、それを受け取る誰かがいる。
「何をつくるか」だけではなく、「自分がつくったものに、どんな価値があるのか」「相手にどんな価値を感じてもらうのか」を考えることは、クリエイターにとっても、とても大切なことだと思います。
ものをつくる仕事をしている人にこそ、一度読んでみてほしい。そんな一冊でした。

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