どーも、CCO西澤です。
本を片手にちょっと考えてみる。
CNSで働くメンバーが、本をきっかけに日々のインプットや仕事、クリエイティブへの想いを綴っていく連載『Think with BOOKS』。
今回ご紹介するのは、古川裕也さんの『すべての仕事はクリエイティブディレクションである。』です。
もう10年以上前の書籍にはなりますが、いまのCNSにおいても大事なことがあると思い、あらためて手に取りました!
はじめに。
古川さんといえば広告業界の超大物ではありますが、私は10年ほど前に宣伝会議のクリエイティブディレクター講座で古川さんの授業を受講したことがあったり、2025年にカンヌ広告祭でばったり会ったり、一方的にではありますがなにかとご縁のあるクリエイターさまであったりします。
私もクリエイティブディレクターという肩書きでお仕事させていただいておりますが、クリエイティブディレクションって何でしょうね。
デザインをするわけでもない。
コピーを書くこともあるけど、コピーライターでもない。
企画もする。クライアントとも話す。飲みにも行く。
スタッフとも話す。最終的なクオリティもチェックする。
結局、何屋なんでしょうね。
この本には、その答えのヒントが結構ありました。
クリエイティブディレクションって、つくることじゃない。
本書ではクリエイティブディレクションの仕事を、大きく4つに分けています。
「ミッションの発見」
「コア・アイデアの確定」
「ゴールイメージの設定」
「アウトプットのクオリティ管理」
こうやって並べてみると、実際につくることより、その前と後の話が多い。
何をつくるか、ではなく、
そもそも何を解決するのか。
どう表現するか、ではなく、
何を伝えるべきなのか。
そして、最後にちゃんといいものになっているか。
言われてみれば当たり前です。
でも、この「当たり前」が結構難しい。
忙しいと「そもそも」がいなくなる。
制作会社で仕事をしていると、日々いろんな相談がきます。
Webをつくりたい。
イベントをやりたい。
映像をつくりたい。
パンフレットをつくりたい。
そして忙しい。
なので、気を抜くとすぐに
「じゃあ、どんなWebにしましょうか」
「どんなイベントにしましょうか」
という話から始めてしまいます。
でも、本来はその前に、
「そもそも、なんでやるんでしたっけ?」
があるはずです。
Webをつくることが目的じゃない。
イベントを開催することが目的でもない。
その先で、誰にどうなってほしいのか。
そこまで戻って考えてみると、
最初に頼まれたものとは全然違う答えになることもある。
個人的には、こういう瞬間がクリエイティブの仕事の一番面白いところだと思っています。
センスの話で終わらせたくない。
もうひとつ、この本を読んでいて考えたのが、
クリエイティブの「再現性」についてです。
クリエイティブって、どうしても属人的です。
「あの人はセンスがいい」
「あの人だから思いついた」
「あの人に任せておけば大丈夫」
それはそれで素晴らしいですよね。
私自身も、クリエイター個人の感性とか、経験とか、想いみたいなものは、とても大事だと思っています。
でも組織としては「あの人だからできました」だけでは、ちょっと困る。
いいアイデアそのものを教えることはできない。
同じアイデアで次も行けるわけではない。
でも、何を疑うのか。
どこまで戻って考えるのか。
何をゴールにするのか。
どうしたら期待を超えられるのか。
そういう「考えるべきこと」や「考える順番」みたいなものは、共有できるんじゃないか。
この本を読みながら、そんなことを考えていました。
すべての仕事は、本当にクリエイティブディレクションなのか。
読み終わって改めてタイトルを考えてみました。
「すべての仕事はクリエイティブディレクションである。」
たぶん、そうなんだと思います。
別にクリエイティブディレクターじゃなくてもいい。
プロデューサーでも、ディレクターでも、デザイナーでも、エンジニアでも。
言われたことをそのままやるのではなく、
「これって本当にこれでいいんだっけ?」
と一回考えてみる。
目的を考える。
問いを問い直してみる。
もっといい方法を考える。
相手の期待をちょっとでも超えてみる。
それだけでも、仕事は結構クリエイティブになる。
CNSが大事にしている
「Make it betterwith Creativity.」
も、そういうことだと思っています。
クリエイティブは、一部のクリエイターだけが使える特殊能力じゃない。
仕事をちょっと良くするための、考え方みたいなものなのかもしれません。
最後に。
クリエイティブディレクションについての本なのですが、
個人的には「クリエイターのための本」というより、
仕事をしている人みんなに結構おすすめです。
「最近、言われた仕事をこなしているだけになってるな」
とか、
「もっといい仕事したいけど、どうしたらいいんだろう」
みたいなことを感じている人には、
何かヒントがあるんじゃないでしょうか。
「そもそも、なんでやるんだっけ?」
ここから考えてみる。
クリエイティブの醍醐味です。