こんにちは。坂上です。
CNSで働くメンバーが、本をきっかけに日々のインプットや仕事、クリエイティブへの想いを綴っていく連載『Think with BOOKS』。
今回取り上げるのは、安斎勇樹さんの『冒険する組織のつくりかた──「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法』(テオリア)。
組織に関する本は、気になったら手に取るようにしている。この本も、2026年のビジネス書として取り上げられているのを見かけたのがきっかけだった。(読者が選ぶビジネス書グランプリ2026のマネジメント部門を受賞)
Think with BOOKSで取り上げたいと思った理由は、3つある。
– 経営の視点だけの組織論ではなく、いろんな人の目線で書かれていること
– 書かれている内容に、CNSの行動や考え方と重なるところが多かったこと
– 個の力・得意技を尊重し、その結果として組織が強くなる、という考え方に共感したこと
知らないうちに、入隊していた?
いきなり物騒な書き出しになってしまいました(汗)
でも、この本を読んでいて、ちょっとドキッとしたのがこの話。
ビジネスって、実は軍事的な考え方でできていることが多いらしい。
言われてみれば、確かにそう。
戦略、ターゲット、キャンペーン、リクルート。。
軍事や戦いにルーツのある言葉は、ビジネスの現場にあふれている。
言葉だけじゃない。相手を倒すための戦い方を考え、
命令をきっちり遂行すれば昇進が約束される。
かつては「企業戦士」なんて呼ばれた時代もあった。
この本では、ビジネスは「戦争」、会社は「軍隊」、
そこで働く個人は「道具」。
そんな見方を「軍事的世界観」と呼んでいる。
もしかして、気づかないうちに私たちも入隊していた?
そう思うと、ちょっと笑えないよね。。
ただ、これは決して「間違っていた」という話ではない。
むしろ昔は、この考え方でちゃんと成立していた。
高度経済成長期のように、つくれば売れる、
やるべきことがはっきりしている時代。
上からの指示を、いかに早く、正確に、全員で実行できるかが勝負。
統率のとれた「軍隊」のような組織が、一番効率が良かった。
会社に尽くせば雇用も昇進も約束されていた。
個人にとっても、それが「安心」でもあった。
でも、時代は変わったよね。
正解のない時代になり、人の価値観も「会社中心」から「人生中心」へ。
命令を遂行するだけでは、組織も個人も、なかなか前に進めなくなってきている。
冒険的世界観は、「麦わらの一味」
この軍事的世界観に対して、この本が提案するのが「冒険的世界観」。
個人のワクワクや探究心を包み込む、という考え方だ。
わかりやすいのが、『ONE PIECE』の麦わらの一味の例。
ルフィは「海賊王になる」という大きな夢を追いかけている。
そして仲間たちも、「世界一の剣豪になる」「自分の目で世界地図を描く」と、それぞれが自分の夢を持っている。
みんな好き勝手にやっているように見えて、
同じ船に乗るからこそ、一人では行けない冒険ができる。
逆に、ゾロに「剣はいいから、今期のノルマを達成してくれ」
なんて言ったら、たぶん一味は成立しない(笑)
「やってみたい」と「誰かの役に立つ」をつなぐ
さて、冒険的世界観で大切にされているのが、
一人ひとりの成長(自己実現の探究)を尊重すること。
ここでいう成長は、自分の好奇心(内的動機)に基づく行動が、
他者や社会への貢献(外的価値)につながっていくこと。
内的動機とは、「誰かに言われたからやる」「仕事だからやる」ではなく、
本人が「やってみたい」と感じていること。
大げさなものじゃなくていい。最初は「ちょっと面白そう」くらいのきっかけで良いらしい。
とはいえ、好き勝手にやればOK、という話ではない。
ビジネスである以上、外に向けて価値を生み出すことは欠かせない。
例えば、夢中になって試行錯誤を繰り返していたら、いつの間にかスキルが身について、人に喜ばれるようになった!
こんな瞬間が、内的動機と外的価値が結びついた瞬間と言えるのかもしれない。
そして、ここからが大事なところ。
この2つは、一度結びついたら終わり、ではない。
結びついたら、また次の「やってみたい」が生まれる。
そうすると、今の自分の動機と、求められている価値との間に、
新たなズレ(不整合)も出てくる。
そのズレをきっかけに、新しい自分らしさ(アイデンティティ)を見つけて、また探究していく。
この「不整合→新たなアイデンティティの発見」をたえず繰り返していくことが成長であり、自己実現の探究に「終わり」はない、と説明されている。
個人の「やってみたい」を、誰かの役に立つ形で提案してみる。
その試行錯誤が、結果として組織を強くする。
そう考えると、新しいことに手を挙げるハードルも少し下がる気がするけど、皆さんはどう思いますか?
これ、CNSが昔から大事にしてきたことかも
また、この本では、組織づくりの具体的な取り組みも紹介されている。
毎月の全社会議、1on1、社内コミュニケーション、PVVの設定、採用の進め方など。
読みながら、「あ、これ、CNSが昔から大事にしてきたことに近いな」と思う場面が、正直けっこうあった。
この本に共感した理由の一つでもある。
さらに最近は、社内の仲間と共創して、組織やビジネスを良くしていくだけでなく、
協業関係にある会社とも連携して、一緒に取り組む動きも増えている。
ひと昔前なら、考えにくかったことだと思う。
みんなで共創しながら、より良い事業、業界、社会へと変えていく。
そんな動きにも、最近のCNSでは力を入れている。
冒険は、まだ続く
軍隊は、同じ方向を向く「同じような人」を揃えて強くなる。
冒険する組織は、違う夢や得意技を持つ「個」が、同じ船に乗って強くなる。
CNSは、客観的に見ても、良い方向に向かっていると思う。
でも、探究に終わりがないように、文化づくりにも終わりはない。
一人ひとりの「やってみたい」を大切にしながら、それがクライアントや、その先にいる人たちの価値につながる循環を、
社内だけでなく、協業するパートナーの皆さんとも一緒につくっていきたい。
CNSが掲げる「Make it better with Creativity.」。
一人ひとりの個性や得意技を、クリエイティビティとして持ち寄って、事業も、業界も、社会も、もっと良くしていけたら。
そんなことを、この本を読みながら考えていた。