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【Think with BOOKS #8】「忙しい」が当たり前になっていませんか?『多忙感』から考える、時間と脳の使い方
【Think with BOOKS #8】「忙しい」が当たり前になっていませんか?『多忙感』から考える、時間と脳の使い方

こんにちは。代表取締役COOの久保です。
本を片手にちょっと考えてみる。CNSで働くメンバーが、本をきっかけに日々のインプットや仕事、クリエイティブへの想いを綴っていく連載『Think with BOOKS』。
今回取り上げるのは、作業療法士として脳の仕組みと働き方を研究する菅原洋平さんの『多忙感』です。
昔から時間術や仕事の効率化には興味があり、「どうすれば限られた時間をうまく使えるか」は、自分なりにずっと考えてきたテーマでもあります。
「忙しい」の正体って、実は仕事の量だけではないのかもしれない。
そんなことを考えながら、時間の使い方、脳の使い方、そして仕事との向き合い方について書いてみたいと思います。


「忙しい」が当たり前になっていませんか?
——『多忙感』から考える、時間と脳の使い方

毎日、忙しいですよねー。
仕事をしていると、次から次へとやることが出てくる。メールが来て、Slackが来て、打ち合わせが入り、気づけば一日が終わっている。
でも最近、この「忙しい」という状態に慣れてしまったというか、それが当たり前になっている自分にも気づきます。
むしろ、忙しくないと少し不安になるくらいです・・・(笑)
昔から時間術や仕事の効率化には興味があって、関連する本もいろいろ読んできました。そんな中、ぱっと目についたのが、菅原洋平さんの『多忙感』という本でした。
「多忙」ではなく「多忙感」。
これは面白そうだな、と。
「多忙」と「多忙感」は違う
この本では、忙しさには2種類あるといいます。
一つは、実際にやることが多い「多忙」。
もう一つは、やることが多いと「感じてしまっている」状態=多忙感です。
これ、思い当たります。
やる前から「今日は忙しいぞ」と感じる。やらなければいけないのに、なぜか手が動かない。休んでいるはずなのに、頭の中では仕事のことを考えていて休まらない。
実際の仕事量だけではなく、この「追われている感覚」が自分を疲れさせている。
そして本を読んでいて気づいたのが、私はこれまで「時間の効率化」ばかり考えて、「脳の負荷」をあまり考えてこなかったということです。

脳のエネルギーも有限

本の中では、脳も胃や肝臓と同じ「臓器」として考える、という話が出てきます。
これは新鮮でした。
脳は使えば使うほどいいものだと、どこかで思っていました。でも当然、脳のエネルギーにも限界があります。
そのエネルギーを奪うのが、メールやSlack、スマホなどの「外乱」です。
私は通知をOFFにして、作業する時間とコミュニケーションツールを見る時間をなるべく分けています。それでも、やっぱり入り込んできます。
特に共感したのが、疲れているときほどメールやチャットを見てしまうという話。
頭がぼーっとして集中できない。でも何かしなければという焦りはある。一方で、本格的な作業をする気力はない。そんなとき、ついメールやSlackを見てしまう。
何かをやった気にはなる。でも、本当にやらなければいけないことは進んでいない。
これはかなり心当たりがあります。

マルチタスクをやめる

もう一つ印象に残ったのが「注意力」です。
いわゆるマルチタスクも、脳が複数の仕事を同時にしているわけではなく、実際には注意を次々と切り替えている。
そして、この「注意の切り替え」に大きなエネルギーを使う。
メールを書いている途中でSlackを見て、返信して、またメールに戻ったら電話がかかってくる。一つひとつは大きな仕事ではなくても、これを繰り返せば疲れる。
仕事量ではなく、「見えない注意力の浪費(スイッチングコスト)」が脳を疲れさせているわけです。
だから、できるだけシングルタスクにする。
全部を同時に進めようとせず、今やることを一つ決める。
シンプルですが、これは意識して実践したいと思いました。

「まず手をつける」

もう一つ、すぐ実践できそうなのが「まず手をつける」ことです。
やらなければいけない仕事を頭の中に残しているだけで、「やらなきゃ」という声が脳のエネルギーを使い続ける。
全部終わらせなくてもいい。
まずファイルを開く。最初のページのタイトルだけでも書く。少しだけ調べる。
とにかく一度、手をつける。
ここで思い出したのが、私が好きな中島聡さんの著書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』です。
この本で印象に残っているのが、完璧なものをいきなり作ろうとせず、まずプロトタイプを作るという考え方です。
そして、「ラストスパート志向が諸悪の根源」。クゥ~~ッ! やりがちですよね。
締切直前に頑張るのではなく、最初に一気に仕事を進めてしまう。
「まず手をつける」と「まずプロトタイプを作る」。
表現は違いますが、どちらも仕事に追われる前に、自分から仕事を動かすという点では共通しているように思います。

リアクションからアクションへ

そして、今回、私が一番意識したいと思ったのは、「リアクションをアクションに変える」という考え方です。
メールが来たから返す。
Slackが来たから見る。
突発的な会議への出席。
これを繰り返していると、一日中仕事をしているのに、自分で時間を使った感覚がなくなっていきます。
『多忙感』では「行為主体感」という言葉が出てきます。
簡単にいえば、「自分の時間を、自分でコントロールしている」という感覚です。
「やらなきゃ」ではなく、「どうやってやろう」に変える。
何をやるかだけではなく、何をやらないかも自分で決める。
仕事に反応し続けるのではなく、自分から仕事を進める。
中島さんの本にあった、「仕事に追われる」のではなく「仕事を追う」感覚にもつながります。

会社全体でも「時間の質」を考えてみる

ここまで考えて、これは個人の仕事術だけの話ではないな、とも思いました。
会社でも「生産性を上げよう」「効率化しよう」という話はよくします。
でも、どうしても時間の「量」に目が向きます。
何時間短縮できたか。残業を何時間減らせたか。
もちろん、それも重要です。
一方で、時間の「質」も考えてみてもいいのかもしれません。
例えば、午前中はなるべく会議や打ち合わせを入れず、それぞれが集中する時間にする。
メールやSlackに常時反応することを求めない。
意図的にシングルタスクの時間をつくる。
中島さんも「朝が最強」と書いています。集中力を「界王拳」に例えているのですが、脳のエネルギーが有限だと考えれば、一番集中できる時間を何に使うかは、個人だけでなく会社としても考えてみる価値がありそうです。

「忙しい」に追われないために

『多忙感』を読んで一番の発見だったのは、時間そのものを管理するだけでは足りないということでした。
脳のエネルギーも、注意力も有限です。
だからこそ、何に集中するのか。何をやらないのか。いつやるのか。そして、自分で決めて動けているのか。
効率よくたくさんのことをこなすことだけが、時間をうまく使うことではないのだと思います。
振り返ってみると、忙しいときほど目の前に飛び込んでくる仕事に反応し、あれもこれもと手を出してしまいがちです。
そんなときこそ、一度立ち止まって、自分でやることを決め、一つずつ進めていく。
そうやって自分から仕事を動かしていくことが、「仕事に追われるのではなく、仕事を追う」という感覚にもつながるのだと思います。
「忙しい」という事実は簡単には変えられなくても、仕事との向き合い方は変えられる。
そして、自分の時間を、自分で使っているという感覚を取り戻す。
それが「多忙感」から抜け出すための第一歩なのかもしれません。

よっしゃ、今日から早く寝て、明日の朝から20倍界王拳だ―!!!
※詳しくは中島さんの著書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』を~(笑)

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