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【Think with BOOKS #11】AIが答えてくれる時代に、クリエイターは何を問う?『質問の魔力』
【Think with BOOKS #11】AIが答えてくれる時代に、クリエイターは何を問う?『質問の魔力』

こんにちは。クリエイティブディレクターの竹内です。

今回ご紹介するのは、質問家・河田真誠さんの著書『質問の魔力 「よい質問」がすべてを解決する』です。

日々の仕事でも当たり前のようにしている「質問」ですが、そもそも「よい質問」とは何なのでしょうか。

本書を通じて、質問することの大切さをあらためて考えるとともに、AI時代のクリエイターに求められる力や、私たちCNSがクリエイティブにおいて大切にしていることについて考えてみたいと思います。


「質問する」と聞くと、わからないことを誰かに聞くことを想像します。知らないことを教えてもらったり、相手の考えを聞いたり、もう少し詳しく話してもらったり。

河田真誠さんの『質問の魔力 「よい質問」がすべてを解決する』は、そのタイトルの通り「質問」をテーマにした本です。ただ、本書で扱われている質問は、単に会話を上手に進めるためのテクニックではありません。質問によって相手の考えを引き出したり、物事を見る視点を変えたり、自分自身の考えを深めたりする。「何を質問するか」によって、その後に出てくる答えそのものが変わっていく。そんな質問の持つ力について、さまざまな例を交えながら書かれています。

中でも私が印象に残ったのが、良い質問とは「目的(ゴール)につながる質問」である、という考え方です。

たとえば「最近どう?」と聞けば、いろいろな話が返ってくると思います。でも、「最近、仕事で一番うまくいったことは?」と聞けば、返ってくる答えは変わります。さらに「それは、なぜうまくいったと思う?」と聞けば、本人もそれまで意識していなかった理由に気づくかもしれません。

質問を変えることで、考える方向が変わる。

だから大切なのは、ただたくさん質問することでも、気の利いた質問をすることでもなく、「何を知りたいのか」「どこに向かいたいのか」を考えて質問すること。
それが「目的(ゴール)につながる質問」ということなんだと思います。

問題を解く前に、問題を見つける

もうひとつ、本書の中で印象に残った部分があります。


これまで求められていたのは、「今ある課題の解決力に長けている人」でした。なぜ課題解決力が高い人が求められていたかというと、それは問題がハッキリしていたからです。問題とは、こうありたいという理想のイメージと現実の間にあるギャップです。こうありたいという理想のイメージが今よりも明確だったため、問題を把握することも、それを解決することも、今ほど難しくない時代だったのです。
(中略)
でも、今はそれだけでは勝てない時代になってきました。問題そのものが何なのかがハッキリしないので、ゴールもはっきりしていない。まず必要なのは「何が問題なのか」を発見することです。その問題を質問を使って発見します。   


(本文より)

「問題を解決する」のではなく、その前に「何が問題なのか」を見つける。ここは、この本の中でも特に面白いと感じたところでした。問題がはっきりしていれば、あとはどう解決するかを考えればいい。
でも、そもそも何が問題なのかわからなければ、どれだけ一生懸命に答えを考えても、違う問題を解いている可能性があります。
だからまず質問する。

「そもそも、何を目指しているんだろう?」
「今との違いは何だろう?」
「なぜ、そうなっていないんだろう?」

質問によって問題を見つけ、その問題に対して答えを考える。良い答えを出すためには、その前に良い質問が必要だということです。

AIが答えてくれる時代に、何を問うか

この部分を読んでいて、これは今のクリエイターにとっても、とても大事な話だと思いました。生成AIの登場によって、私たちの仕事はかなり変わってきています。
文章を書く。アイデアを出す。画像をつくる。情報を整理する。
これまで人が時間をかけていたことの一部を、AIはかなりのスピードでやってくれるようになりました。もちろん、その答えが正しいのかを判断したり、選んだり、磨いたりする力は必要です。

でも「答えを出す」ということだけを考えれば、以前よりずっと簡単になっています。だからこそ、これからは「どう答えるか」と同じくらい、「何を問うか」が重要になってくるんじゃないかと思います。AIに何を聞くか、というプロンプトの話だけではありません。

そもそも何を考えるべきなのか。
何のためにつくるのか。
本当に解決すべき問題は何なのか。

そこを考えることは、人間側の仕事です。そして、この「問題を解決する前に、問題を見つける」という考え方は、私たちCNSがクリエイティブにおいて大切にしている考え方とも重なります。

CNS WORKFLOW

CNSでは、クリエイティブのプロセスを「CNS WORKFLOW」として、「01.広げる/深掘る」「02.整理する/絞り込む」「03.構想する/設計する」「04.実行する/制作・開発する」の4つに整理しています。私たちは、クライアントから依頼されたものを、そのまま「つくること」から始めるわけではありません。まず、そのプロジェクトについて理解します。

クライアントがどんな状況にいるのか。
なぜこのプロジェクトが始まったのか。
誰に何を届けたいのか。
今、何がうまくいっていないのか。
どうなれば「成功」と言えるのか。

そのためには、たくさんの質問が必要です。質問しながら視野を広げ、いろいろな可能性を探っていく。そして、その中から「今回、本当に解決すべきことは何なのか」を定義する。それができて初めて、「では、どうやって解決しようか」という企画やクリエイティブに進んでいきます。

クライアントから「WEBサイトをつくりたい」「映像をつくりたい」「イベントをやりたい」と相談をいただくことはたくさんあります。でも、それらはあくまで手段です。その先にある目的を理解して、本当に解決すべき課題を見つけること。そのために質問することは、CNSのクリエイティブにとって欠かせないプロセスです。

『質問の魔力』で語られている「目的(ゴール)につながる質問」や、「問題を解決する前に、問題を発見する」という考え方は、私たちがCNS WORKFLOWで大切にしていることにも通じるものがありました。

AIがたくさんの答えを出してくれる時代だからこそ、何を問うのか。

答えをつくる力と同じように、目的につながる質問をして、本当に解決すべきことを見つける力。これからのクリエイターにとって、ますます大切なスキルになっていくんだと思います。

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